2021ワールドトライアスロンシリーズ横浜大会 エイジパラトライアスロン


2021年5月15日(土)、16日(日)、神奈川県横浜市で「2021ワールドトライアスロンシリーズ横浜大会」が開催され、15日にエリート、16日にエイジグループが行われました。2021大会はコロナ禍での開催となることから、「行かないことが一番の応援 YELL at HOME!」として、沿道や会場での観戦・応援は自粛を徹底しオンラインでの観戦が推奨されました。選手、関係者の皆様へは、コロナウイルスを “感染しない・させない” 為のコロナ対策マニュアルが作成され、全員で共通の認識・理解を促進させ、より安全・安心に大会運営が行われました。

 

大会名:2021ワールドトライアスロンシリーズ横浜大会 エイジパラトライアスロン

開催日:2021年5月16日(日)7:15~

開催地:神奈川県横浜市

競技:スイム750m(1周回)、バイク20km(10km×2周回)、ラン5km(1周回)

~ガイドとしてのトライアスロン~

Try Gottsu 石橋健志

私が樫木選手のガイドの話を受けたのは2019年の千葉シティトライアスロン。しかし、台風が来て中止。昨年は大会が無く、今回の横浜でようやくデビュー戦を迎えられました。樫木選手とは月2回ほど一緒に3種目の練習をしています。でも練習はあくまでも練習。本番はどうなるか分からないので、不安ではありましたがその分楽しみでもありました。

・ガイドの役割

パラトライアスロンのスイムはガイドと選手をロープで繋いで泳ぎます。ルールとしても競技中に1.5m以上離れないようにしないといけません。視覚障害の選手はブイやコースがほとんど見えないので、ガイドが正確なコース取りをしていく必要があります。また、ガイドには選手が蛇行しても引っ張り負けないパワーと、冷静に位置取りをする状況判断が求められます。

バイクは二人の力を足して2で割るような形なので、とにかくガイドも頑張ります。2人分のパワーで2人分の重量を運びますが、空気抵抗に関しては2人分も無いのでスピードは通常のバイクより出やすいです。ただ、ペダリングが乱れたりするとマイナスの力を生んで、疲労の原因になってしまいます。また車体が長いのでコーナーやUターンはなかなか曲がらないです。そこがタンデムバイクの奥深い所です。

ランは50cm以上離れないようにするというルールがあります。そのためお互いを50cmのロープで繋いで走っています。ペアによってロープを手で持ったり、腰に繋いだりしてており方法は様々です。私たちは練習で試行錯誤した上で腕にロープをつけて走っています。その方が腕振りしやすかったからです。また、ガイドはコース情報を細かく伝えないといけません。コーナーの角度や路面の段差や直線がどれくらい続くかなど随時喋っているので、選手より余裕をもって走れないといけないです。


・実際のレース

スイムはいつもより水の抵抗が増えるので腕にかかる負担が大きくなり普段より体力を奪われます。ただ、ストロークのテンポを上手く合わせられると、効率良く推進力を得られる為、樫木選手の動きを横目で見ながら合わせにいきます。その他にもブイを回る際に肩を叩いたり、順調に泳げているかを確認したりと、意識しないといけない点が多く、気が付けば750mを泳ぎ切っていました。


バイクでは実際にコーナーでどれくらい減速するのか?脚はいつ止めるのか?路面の段差はどうなっているのか?など色々な事を声掛けしながら走っていきます。今回は交通規制の関係で事前にコース下見が出来ず、ぶっつけ本番でコースを走らないといけませんでした。そのため、1周目でペースを上げながらもコースを確認して、コーナーの曲がり方など覚えていく必要がありました。10kmを2周回だったので、1周目で得た情報をしっかり2周目に活かしていきました。2周目に手元の時計で後続の選手との差を測ると30秒ほど差を広げる事に成功しました。ですが、最後の最後で降車ラインを間違えるミスを犯してしまいました。パラの降車ラインは一般のラインよりも100mくらい奥だったのですが、間違えて一般のラインで一度停車してしまい、そこから再スタートを切ってとかなりロス。これはレース前にしっかりと確認しておくべきポイントだったのに怠ってしまいました。パラトライアスロンは距離がスプリントで1秒が大切になってくるので今後はこのようなミスがないように次回から気を引き締めて準備します。


ランではトランジッションで靴を履く際にふくらはぎが攣ってしまい、ランスタート時がかなりピンチでした…。足を引っ張るわけにはいかないプレッシャーから最初の1kmは誤魔化しながらのランニングでした。しばらく走っていると足も戻ってきたので、少し余裕を持ち、コース案内などきっちりガイドをしながら走っていきます。ですが、横浜のコースはかなりテクニカルで細かいカーブやUターンが多く道も狭かったです。実際に指示が遅れてコースオーバーする場面も多々ありました。この辺りを上手くやっていくと、まだまだタイムは伸ばせたと思います。ちなみに樫木選手はバイクを降りた時に脚が攣ったそうですが、トランジッション中に治ったようです。脚を攣るタイミングは合わせられませんでした(笑)。

今回初めてガイドをやって、普段の自分自身のレースにはない難しさを感じると同時に、自分だけではない達成感がありました。走っているリズムや息遣いから相手の状態を把握して、ペース配分をしていく感覚は普段では味わえないです。もっとパラのレースが増えていくと良いのですが、現在はなかなかレースも少なく、レース環境を整えるのも難しいです。パラの部を盛り上げていくためにも競技志向だけでなく、トライアスロン自体を楽しむ方が増えてくるように私自身も活動して行けたらと思います。