VTOの岸田(滋賀)です。

 

今回のパラトライアスロン講座はブラインドカテゴリー(PTVI)の白江淑浩さんとガイドの田中相司さんお二人に参加していただきました。選手とガイドの息の合わせ方やレースへの取り組みについて聞かせていただきました。

 

白江選手は右目を失明されています。左目は少し視力がありますが、見える範囲がかなり限られています。大阪の長居公園で活動する視覚障がい者のマラソンチームに参加しているときにガイドの田中さんからパラトライアスロンに挑戦しないかと声を掛けられ競技を始められました。田中さんは自分でもトライアスロンに出場し、それに加えてガイドとしても活躍しておられます。今日は選手とガイドがどのように意思疎通を図るのか、お二人の心意気とともに聞かせていただきます。

(左) 進行役 福嶋パラ近畿B委員長 (中央) 田中さん (右) 白江さん 

スイムはブラインドの選手にとってコースが全くわからないので事前の打合せでコースを理解しておくことが大切です。泳いでいるときはガイドロープの張りで意思疎通を図っているそうです。ガイドの田中さんは最短コースを泳ぐために常にヘッドアップし前を向いて泳いでいます。

 

バイク、ランは声掛けが重要です。いかに情報を共有できるかです。田中さんは白江選手の疲れ具合や能力まで考慮しアドバイスするそうです。白江選手はできる限りの情報を得てパフォーマンスを発揮できるようにしています。

 

今まで参加したレースは横浜大会や宮古島といった国内のレースだけでなくロンドンでのグランドファイナル(エリート選手として出場!)にも参加されています。今後はアイアンマンの完走が目標となっています。

最後に白江選手から、「視覚障がい者でトライアスロンや他のスポーツで表に出る人はごく一部で、ほとんどの方が引きこもりがちなので、もしそのような方がおられたら、何かに挑戦することに背中を押してあげてほしい」とメッセージをいただきました。

 

田中さんからはガイドになるための資格はあるのかと聞かれることがあるが、「熱い心」が資格だと言っておられました。 素晴らしい選手と熱いガイドのお話を聞くことができました。今後も二人で熱く楽しいトライアスロンを続けていただきたく思います。

 

今回は、全国各地より39名の方にご参加いただきました。白江選手、田中さん、ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

 

※本講座の事前質問でいただいた「PTVIカテゴリーのクラス分け」について使用した資料を共有いたします(2022年1月時点→2023年にタイム補正の変更あり)。

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【参加者の声】

  • 田中ガイドの「手伝うという気持ちではなく、一緒にやるという気持ちでやっています」という言葉がとても印象に残りました。もっとお話を聞いてみたいです!
  • 素晴らしい!競技されてる姿もすごいけど、白江さんと田中ガイドのお互いの信頼感、おふたりの間に見えた絆、ホントに熱いものを感じました。
  • 田中さんがガイドになるのに資格は必要ない、ハートがあれば!とおっしゃったのを聞いて、私にも何か出来るかもって思いました。

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