VTOの仲尾(京都府協会)です。
本日は、NTT西日本支援事業2020トライアスロンファミリーオンライン講座シリーズにご参加いただき、ありがとうございました。
今回は第3回目、ブラインドカテゴリー(PTVI)の樫木亮太さんに競技の工夫や魅力について語っていただきました!
(左)名進行役の福嶋近畿ブロックパラ委員長と(右)樫木亮太さん
樫木選手の視力は、正面は全く見えなくて、周囲はほんの少し見ることができる弱視です。子供の頃の病気が原因でした。普段の生活は拡大機やパソコンの音声変換ソフトを利用しているそうですが、トライアスロンではどのように競技をおこなっているのでしょうか?
【スイム】
樫木選手の少し前をロープで繋がった、ガイド(視覚障がい者の目となりサポートする人)が泳ぎます。方向転換やスイム終了などガイドとのコミュニケーションは、ガイドに背中をたたいてもらって行っているとの事です。エリート大会に出場する樫木選手も初めてのスイムでは少しパニックになってしまい、ガイドや周囲の方の助けによって泳ぎ切ったとおっしゃっていました。
【バイク】
タンデムバイク(二人乗り自転車)を使用し、ガイドが前、選手が後ろに乗ります。樫木選手は後ろで「ひたすら漕ぐだけ」とおっしゃってましたが、ガイドとお互いに息を合わせることが大切のようです。息を合わせる方法は?との質問に「お互いスポーツ選手なので、何度かやると合ってくる」との言葉が印象的でした。バイクコースは競技説明会で聞き、レース本番の一周目で、概ね理解するとのこと。またバイクは二人で漕ぐので、かなりのスピードが出るとのことです。
【ラン】
ラン専用の50㎝のガイドロープを使用して、ガイドと一緒に走ります。コースの状態はガイドの声によって理解されています。また、腕の振り方を工夫して走っているとのことでした。
【ガイドロープ】
ガイドロープは、自分たちに合ったものを工夫して作っているとのことでした。今使っているスイム用のガイドロープは「世界に一つだけ」とおっしゃっていました。
また「ガイドに1番に求める事」の質問に対し、一緒にトライアスロンを楽しめること。と答えておられました。ガイドロープを通じて、樫木選手とガイドの心や気持ちも一緒に繋がっているのだと感心しました。
【パラトライアスロンを始める初期費用】
樫木選手の場合は、練習のための水着やランニングシューズに3万円程度、大会に出るためにトライスーツやウエットスーツ、タンデムバイクの費用が必要。最初のタンデムバイクはネット販売で約17万円で購入。
タンデムバイクは貸出しているところもあるので、地域のトライアスロン協会に相談してみると安価で始められる場合もあるとの事でした。その他、ガイドの紹介は、地域のトライアスロン協会やトライアスロン倶楽部に相談して紹介してもらい競技を始めたとの事でした。
【チームプレイ】
樫木選手は、この競技はチームプレイとおっしゃっていたのが印象的でした。ガイドやサポートしてくださる皆さんとの絆を大切にして、一緒に競技されているのだと感じました。
本日の講座は、PTVIの競技だけでなく、樫木選手のお人柄や魅力が十分伝わったと思います。
そして、全国各地より44名の方にご参加いただきました。樫木選手、ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。これからも世界で活躍する樫木選手を応援したいと思います!
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【参加者の声】
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